山ごはん道具

素材の特徴を知って、登山用クッカーを選ぶ【山ごはん道具】

今回は、登山用クッカーの選び方について

クッカーの素材に着目して、考えていきます。

クッカーの素材について知ることは、あなたに合ったクッカーを選ぶ上で役立ちます。

たくさんあるクッカーの中から、あなたに合ったクッカーを

しっかり考えて選んでいきましょう!

この記事を読んでほしい方
  • 登山用クッカー選びに失敗したくない方
  • 登山用クッカーの素材の特徴について知りたい方
  • 山ごはんを始めようと考えている方

この記事は、クッカーの選び方4部作の1つ目の記事です。

この4つの記事で、クッカーの正しい選び方を完ぺきにマスターできます。

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登山用クッカーを選ぶ上で重要なことは?

登山用クッカーを選ぶ上で、あなたが重要だと思うことは何ですか?

クッカーの素材にはそれぞれ長所と短所があるので

重要なことの優先順位を決めて選ぶことが大切です。

登山用クッカーにとって重要なこと(の中で素材が関係すること

について代表的な例を紹介します。

値段

値段はできれば安い方が良いでしょう!

登山ではいろいろそろえる道具が多いので、お財布事情が厳しくなりますよね。

というわけで、できるだけ安い物が良いというのが正直なところ。

ただあまりに安い物を買ってしまうとすぐ壊れてしまい、安物買いの銭失いになる

可能性があるので、注意が必要です。

耐久性

登山というアウトドアな環境で使うことから、耐久性は高い方がもちろん良いです。

ふとした拍子で固い地面に落としてしまうこともあるだろうし

家で調理する時より火加減も難しいので余分に火が強くなってしまったり

室内で使う料理道具より耐久性が求められる機会が多いです。

重さ(軽いこと)

重さは人によっては一番重要な要素だと思います。

登山において軽くて、損なことは基本ないです。

道具が軽いということは荷物が軽くなるということなので、登山をしてても

疲れにくくなります。

できるだけ楽したいというのが人の性なので、

登山を楽に楽しむために道具ひとつでも軽い方が良いでしょう。

料理のしやすさ

ぼくが一番重要だと思うのは、料理のしやすさです。

料理のしやすさと一言で言ってもいろいろな点がありますが

素材が関係する点は、熱の伝わりやすさです。

熱が伝わりやすいと、お湯が沸くのが早かったり

料理する時にムラなく火を通すことができたりと、料理がしやすくなります。

クッカーで快適に料理できることは、山ご飯を作るのが好きになる

きっかけになるので、ぼくは重要だと思います。

登山用クッカーの素材は主に3種類

登山用クッカーによく使われている素材は

  • アルミ
  • チタン
  • ステンレス

の3つです。これ以外の製品もたまにありますが

基本的にはこの3つから選ぶことになると思います。

素材の評価(ぼくの独断と偏見)

それぞれの素材を、先程紹介した「重要なこと」で僕が◎~✖で評価すると

以下のようになります。

 アルミチタンステンレス
値段
耐久性
重さ
料理のしやすさ

ちなみに、評価基準は僕の独断と偏見の部分が多々ありますので、参考程度に見てください。

なぜそのように評価したか、各素材ごとに詳しく紹介していきます。

比重と熱伝導率

素材ごとの特徴を理解する上で、理科のお話を少しだけします。

※特徴を知るだけなら必要ないお話なので、興味ない方は読み飛ばしてもらってOKです。

今回紹介するクッカーの素材はすべて金属ですが

金属はそれぞれ固有の比重と熱伝導率という数値を持っています。

比重

比重とは、ある物質の質量と、それと同じ体積を占める標準物質(固体の場合は水)の

質量との比です。

この比重を知ることで、ある2つの物質が同じ大きさだった場合に

どちらがより軽いかを知ることができます。

熱伝導率

熱伝導率[W/mK]は厚さ1mの板の両端に1℃の温度差がある時

その板の1㎡を通して1秒間に流れる熱量をのことをいいます。

熱伝導率の数値が高いと、より熱が伝わりやすいといえます。

各素材の比重と熱伝導率

 アルミチタンステンレス
比重2.74.57.7
熱伝導率[W/mK]2392226.0

 アルミ、チタン、ステンレスの比重、熱伝導率の値をまとめた表です。

比重の値からは、全く同じデザインのクッカーだった場合

アルミ>チタン>ステンレスの順で軽いと推測することができます。

熱伝導率の値からは、アルミ>チタン>ステンレスの順で熱が伝わりやすく

アルミは他の素材に比べて10倍程度熱が伝わりやすいと推測することができます。

この値を踏まえた上で、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。

アルミ

特徴

アルミは、素材として最も軽く値段も安価な製品が多いです。

耐久性は他の素材より劣る印象で、強い力をかけるとその部分が凹んでしまうこともあります。

ただしこの耐久性はクッカーの厚みで変わってくるので

よっぽど薄く簡素な構造でなければ、耐久性が弱くて

使い物にならないというわけではないので安心してください。

また、高い熱伝導率のおかげで

お湯が沸くのも早く、弱火で調理してもしっかり熱を伝えてくれます。

弱火で調理できるということは、焦げ付きにくいというプラスの効果もありますし

お米を炊くのも成功しやすかったりします。

今回紹介している素材の中では料理のしやすさは一番でしょう。

といってもバーナーを使って局所的に強火が当たると、その部分だけ焦げ付くことは

あるので注意しましょう。

メリットデメリット

メリットデメリット
  • 軽量である
  • 安価である
  • 調理時間が短くて済む
  • 炊飯が上手にできる
  • (弱火調理できるので)焦げ付きにくい
  • 耐久面に少しだけ不安がある

チタン

特徴

チタンは加工が難しいことから、比較的値段が高い製品が多いですが

丈夫かつ軽いという2つの性能を兼ね備えた唯一の素材です。

素材の軽さだけでいえばアルミの方が軽いのですが

チタンの強度はおよそ鉄の2倍、アルミの3倍ともいわれ

薄い構造で作ることができることから

アルミ製クッカーよりチタン製クッカーの方が軽いという逆転現象が起きています。

深型のクッカーでいえばチタン製の方が100gくらい軽いです。

料理のしやすさについては

その低い熱伝導率から分かるように、なかなか熱が伝わらず

食材の熱の通りが悪く、強火にしても火が当たっている部分で焦げ付くといったように

炒め料理や炊飯には不向きです。

ただしこの熱が伝わりにくいというのはある意味長所で

チタン製のマグカップは直火で温めても、火から離れている飲み口は熱くならず

温めた後すぐに口をつけて飲めるので便利です。

メリットデメリット

メリットデメリット
  • 丈夫である
  • クッカーとして一番軽い
  • 直火で温めても飲み口が熱くならない
  • 比較的高価である
  • 炒め料理や炊飯には不向き

ステンレス

特徴

ステンレスは、安価な製品が多耐久性も高です。

ただし今回紹介する素材の中で最も重く

重いということは登山において非常にマイナスな点です。

また、低い熱伝導率ゆえに熱も伝わりにくいので

料理に火が通るのに時間がかかったり

強火ですぐに焦げ付きやすいことから、料理もかなりしづらい印象です。

ただし、本当に安い製品で最初始めたいという人は

百円ショップで売っている製品(ステンレス製がほとんど)もあるので

利用しても良いかもしれません。

メリットデメリット

メリットデメリット
  • 丈夫である
  • 安価で、百円ショップなどでも手に入る
  • 重い
  • 料理には不向き

アルミで焦げ付くのが気になる人には

表面加工品は油もはじく

アルミが弱火で調理できるので焦げ付きにくいといっても

バーナーで調理して局所的に熱がかかる部分ができた時には

焦げ付いてしまうことがよくあります。

できるだけ焦げ付かないクッカーがほしい人は、表面加工された製品がおすすめです。

というか炒め物をするなら表面加工された製品を買った方が良いでしょう。

加工にはいろいろな種類があって

例えば

  • フッ素加工
  • ノンスティック加工
  • セラミック加工
  • セラミックデュラライト加工

がありますが、フッ素樹脂がコーティングされたもの(上2つ)と

セラミックがコーティングされたもの(下2つ)の2つに大別でき、

フッ素樹脂は焦げ付き防止効果があるが、耐久性が比較的低く

セラミックはフッ素樹脂より焦げ付き防止効果が低いが、耐久性効果が高い

という特徴があります。

特に、フッ素樹脂コーティングは固い物が当たると削れてしまったり

空焚きで樹脂そのものが分解してしまう恐れがあるので、扱いに注意しましょう。

※ぼくはフッ素樹脂コーティングされたゼログラムのフライパンを愛用しています。

自分に合った素材を選ぼう

チタン製クッカーがおすすめな人

クッカーにとって最も大事なのが「軽い」ことである人

素材はチタンを選びましょう。

また、お湯を沸かしたり、煮込むだけの料理くらいなら問題なくできるので

山ご飯をあまり凝る予定がない人にもチタンがおすすめです。

チタン製クッカー3選

コーヒーやスープなどしか作らない人には、チタンシングルマグがおすすめです。

直火で温めても飲み口が熱くなりにくいことから、お湯を沸かしてすぐに使いたい人に

適した製品です。

また、300mlの容量だとぎりぎりカップヌードルを作れるので、ふとラーメンを

食べたくなった時にも使えます。

似た商品にチタンダブルマグがありますが、こちらは直火で温めることができず

保温容器にしか使えないので注意しましょう。

チタンの軽さと道具のコンパクト性を重視したい人には

ポット型のクッカーがおすすめです。

ポット型クッカーはODガス缶をクッカーの中に収納できるので

かさばらずに持っていくことができます。

そのようなポット型のクッカーの中のうち

エバニューのポット型クッカーは本体重量95gでとても軽く

チタンの軽さを十分に生かしたクッカーのひとつです。

ただし、ポット型のクッカーは口が狭く、パスタやラーメンは作りにくいので

その点を理解した上で購入してください。

チタン製品でラーメンやパスタなどの簡単な料理をしたいと

考えている人におすすめなのはお椀型のクッカーです。

ポット型のクッカーに比べて口が広いので、調理がしやす

バーナーで温めた時に火の当たる面積が広いのでポット型のクッカーより

温まるのが早いといったメリットがあります。

ただしチタン製は焦げ付きやすく炒め料理には向かないことから

煮る料理、ゆでる料理を作るのに適した製品となります。

アルミ製クッカーがおすすめな人

山ご飯をこれからいろいろしたい人には素材はアルミをおすすめします。

安価で、そこそこの軽さ、熱が伝わりやすく調理しやすいということで

山ご飯を始める上でメリットが多い素材です。

耐久性に劣るといってもある程度の耐久性はあるので、僕はそこまで気になりません。

また、自分がクッカー選びに何が大事かまだ分からない人にもアルミをおすすめします。

アルミを買っておけば、ほとんどの調理ができるので損はしないと思います。

アルミ製クッカー4選

アルミ製クッカーの中で一番調理法が多いのはメスティンです。

その調理の中でも、何といってもご飯がおいしく炊けるのは非常に魅力的です。

蒸したり燻製をしたり揚げ物をしたりなど変わった使い方もできる便利な道具なので

ひとつあって損はありません。

ただし、生アルミで表面加工はされていないので、高温で焦げ付くことから

メスティンは炒め料理には向きません。

チタンのおすすめ製品でも紹介しましたが

いろいろ料理をするならフライパン型クッカーがおすすめです。

フライパン型クッカーは口が広い分料理がしやすく

また、フライパン型クッカーはその多くがフッ素樹脂加工されているので

炒め料理をしても焦げ付きにくいというメリットがあります。

僕は四角型のフライパンが好きで、ゼログラムのクッカーを使用していますが

現在販売していないようなので、ユニフレームの四角型フライパンをおすすめします。

日常的によく見る丸形フライパンの方がなじみがあるので

四角型フライパンより丸形フライパンの方が良いという方は

CAPTAINSTAGでお手頃な値段で、しっかりフッ素樹脂加工されている製品

あるので検討してみてください。

 

そこそこの値段でコンパクトに収納できる道具がほしいという方には

アルミ製のポット型クッカーも選択肢に入ると思います。

ただし、ポット型クッカーは料理がしづらいので

チタン製より安い道具で、お湯を沸かせたら良いという人に

おすすめのクッカーです。

ステンレス製クッカーはあまりおすすめしない

これは僕の勝手な基準なのですが、重さと料理のしやすさが

他より劣るステンレス製のクッカーはわざわざ選ぶ必要はないと思います。

安さについても、アルミとステンレスはほとんど同じ値段で流通していますので

同じ値段で他が優れたアルミを選ぶと良いです。

ただし、100円均一で売っているシェラカップやクッカー(ステンレス製)は

容器として時々利用したりするので、ステンレスが全く使えないわけではありません

まとめ

今回は、いろいろな種類がある登山用クッカーの選び方について

登山用クッカーの素材という点に着目して紹介しましたが

素材について理解するのにこの記事は役立ったでしょうか?

少しでも役立ったのなら、この記事を一生懸命書いたかいがあります笑

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事は、クッカーの選び方4部作の1つ目の記事です。

この4つの記事で、クッカーの正しい選び方を完ぺきにマスターできます。

この記事を書いた人

料理好きが講じて、山ごはんも凝ったものを作りがち。
山ごはん初心者にも紹介できる簡単メニューを日々考案する毎日です。

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