山ご飯はおいしい!ことを広めたいという このブログですが
山ご飯を食べる目的は「おいしい」こと以外に「エネルギーを摂取する」ことがあります。
この記事では、登山の種類:日帰り登山、山小屋泊登山、テント泊登山に分けて
どのくらいエネルギー(カロリー)が必要なのか
どのくらいの量のご飯を食べなければならないか詳しく紹介します。
登山で1日に消費するカロリーは
忙しい人のための、登山で1日に消費するカロリーの計算結果のまとめです。
※男女別の結果や計算方法については後でくわしく紹介するので、ぜひ読んでみてください。
日帰り登山では、持っていくご飯の量はそこまで気にする必要はありませんが
泊まり登山では、持っていくご飯の量を考え、計画する必要があります。
なぜ登山でエネルギーを摂取しなければならないか
なぜ登山でエネルギーを摂取しなければならない理由は
「シャリバテ」という状態になるからです。
「シャリバテ」とは、体に蓄えたエネルギーがなくなり低血糖状態になることです。
この「シャリバテ」状態になると、頭では体を動かそうと思っても体が動かなくなり
行動不能になってしまいます。
一度発症するとご飯を食べても少しの間回復しないので
エネルギーを摂取しておくことは非常に重要です。
登山の消費エネルギーはどのくらいか
登山でエネルギーを摂取しなければならないことが分かっても
どのくらい食べたらいいか目安が必要です。
目安がないとご飯を食べていても実は足りていなかったということがあるかもしれません。
その目安を知るために、登山の消費エネルギーを実際に計算してみましょう。
登山行動中の消費エネルギー計算式
出典:登山の運動生理学とトレーニング
今回は登山用につくられた「行動中のエネルギー消費量を求める汎用式」で計算してみます。
この計算式は
といった登山ならではの数値が式に入っているので
より正確な登山の消費エネルギー(カロリー)計算を行うことができます。
登山の消費カロリー計算例
登山の消費カロリーを計算する際には
いろいろな条件(性別、登る山、荷物の重さ)が考えられますが
今回は、成人男性(平均体重 64.0kg)または 成人女性(平均体重 52.7kg)が
※山の各データはYAMAPの記録から入手しました
に行った場合のカロリーを計算してみました。
上の計算式のとおりに計算したところ、登山の消費カロリーは
登山の種類 | 男性の消費カロリー | 女性の消費カロリー |
日帰り | 632 kcal/日 | 532 kcal/日 |
山小屋泊(1泊2日) | 1300 kcal/2日 | 1104 kcal/2日 |
テント泊(1泊2日) | 1922 kcal/2日 | 1650 kcal/2日 |
という結果になりました。
日帰り登山ではカロリーは気にし過ぎなくて良い
日帰り登山の消費カロリーは 500~600kcal くらいでしたので
簡単な山ご飯(おにぎりやパン)を食べておけば
エネルギーが足りなくなってしまうことはないでしょう。
行動中に消費したカロリーは、家に帰ってご飯を食べることで補うことができます。
なので、日帰り登山で摂取するカロリーの量はそこまで気にしなくて良いです。
日帰り登山では好きなものを食べて、登山を楽しみましょう!
泊まり登山で消費するカロリーはかなり多い
基礎代謝で消費するカロリー
泊まり登山の消費カロリーは 1100~1900kcal でした……が
ここでもう一度考えてほしいのは
人間には「基礎代謝」で消費するカロリーがあることです。
日帰り登山では一日しか行動しないので「基礎代謝」のカロリーは無視しましたが
次の日も行動する泊まり登山はこの「基礎代謝」も計算に入れる必要があります。
基礎代謝量
年令 \性別 男性 女性 18-29才 1520 kcal/日 1110 kcal/日 30-49才 1530 kcal/日 1150 kcal/日 50-69才 1400 kcal/日 1100 kcal/日 18-69才 平均 1480 kcal/日 1120 kcal/日 出典:厚生労働省HP より抜粋
今回は 18-69才の基礎代謝カロリーの平均を
先ほど計算した登山の消費カロリーにプラスすることで
泊まり登山の消費カロリーを再計算します。
基礎代謝で消費するカロリーをプラスすると
泊まり登山では、基礎代謝で消費するカロリーをプラスして再計算したところ
泊まり登山の消費カロリーは
登山の種類 | 男性の消費カロリー | 女性の消費カロリー |
山小屋泊(1泊2日) | 2780 kcal/2日 | 2224 kcal/2日 |
テント泊(1泊2日) | 3402 kcal/2日 | 2770 kcal/2日 |
となりました。
※家に帰ってエネルギーを補給できるという考えから、2日目の基礎代謝で消費するカロリーはプラスしていません。
泊まり登山の消費カロリーの多さが少しは実感できたでしょうか?
計画せずにご飯を食べると、エネルギー不足になるかも
計算して分かった通り、泊まり登山で消費するカロリーは非常に多いです。
今回の計算で出た消費カロリーをおにぎりで例えると
おにぎり(約200kcal)を 11~17 個食べなければなりません。
そんな大量のおにぎりを食べている人は見たことありません笑
つまり、日帰り登山と同じように食べたいものだけを考えてご飯を準備すると
泊まり登山ではエネルギー不足になってしまうかもしれません。
泊まり登山では行動食を準備する
泊まり登山で準備してほしいのは、「行動食」という食事です。
「行動食」とは、メインの食事の間に食べる間食で、
登山で歩いている途中でも食べやすいものであることが重要です。
この行動食とメインの食事を組み合わせることで
泊まり登山では消費するカロリーを補給しましょう。
泊まり登山の1日の食事の例
このくらいの量のご飯を食べれば
ので、山の中ですぐにエネルギー不足になることはないでしょう。
逆に考えると、山ではこのくらい食べなければならないということです。
まとめ
今回は、登山で消費するカロリーについて、登山の種類別に詳しく紹介していきました。
カロリー計算が大体でもできれば、登山の安全につながるので
めんどくさいですが、しっかり計算しましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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