登山初心者

登山のレイヤリングの基本って?状況に応じたレイヤリング実践編

登山の服装には「レイヤリング」という考え方があります。

分かりやすい言葉でいえば、重ね着です。

この「レイヤリング」という考え方を理解することで、登山時の体温調節が上手にできるようになります。

ネットでは、「レイヤリング」の概念の説明や、どのような服があるかの説明はあっても

状況に応じて、どのような「レイヤリング」をする必要か詳しく説明されているサイトが少なかったので

今回登山の「レイヤリング」実践編ということで、紹介していきます。

この記事を読んでもらうことで

  • 状況に応じた「レイヤリング」がわかる
  • 「レイヤリング」の考え方を理解することで、どのような「レイヤリング」が適切か自分で判断できる

ようになります。

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レイヤリングとは……

最初に、レイヤリングを全く知らない人のために、「レイヤリング」という概念を説明します。

レイヤリングは英語では「layering」と書きます。

「layer」は階層、積み重ねという意味なので、レイヤリングは階層を作る、積み重ねると理解してもらえればいいと思います。

登山服は「layering」=服を着重ねることで体温調節するので、レイヤリングという言葉で表現されているのだと思います。

登山服におけるレイヤリングは、3つの階層構造に分かれていて、それぞれ役割があります。

登山の服装は、基本的に3層で考える

1層目:肌面の汗を吸って拡散するベースレイヤー
2層目:水蒸気となった汗を外へ逃がすミドルレイヤー
3層目:1層目から上がってきたムレを最後に外へ逃がすアウターレイヤー

出典:快適さは「レイヤリング」がすべて! 登山初心者なら知っておきたい服装のハナシ

「レイヤリング」の考え方として

  • 体から出る汗を極力少なくする
  • 出てきた汗は速やかに外に排出する
  • 外界からの影響(雨風や寒い空気)は遮断する

というのを頭に入れておくとこの後の説明が分かりやすくなると思います。

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それぞれの服(レイヤー)に求められる機能

ベースレイヤーに求められる機能

ベースレイヤーには、活動時に出てくる汗を吸い速やかに放出することで、体を濡らさずに体温を維持する役割があります。

そのため、速乾性の高いポリエステルなどの化学繊維を用いた服が良いとされています。

僕は、登山用品店で購入したTシャツや、マラソン大会の参加証でもらえるランニングシャツを利用しています。

暑い日は半袖で問題ないですが、日焼けや虫刺されが気になる人は長袖のインナーを組み合わせると良いと思います。

また、綿・コットン素材の服をベースレイヤーに用いるのは避けてください。

速乾性が悪く、汗冷えによって体温を低下させる原因となります。

登山服はポリエステルがやっぱり良い?本当に乾きやすいのか、実際に検証してみた
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綿素材が本当に乾きにくいかを知りたい人は↑を見てみてください。

ミドルレイヤーに求められる機能

ミドルレイヤーには、行動する時に用いる「行動着」と休憩する時に用いる「保温着」があります。

どちらの服も防寒することが目的ですが

「行動着」にはベースレイヤーから放出された汗(水蒸気)を外に出す通気性も求められます。

「保温着」は「行動着」に比べて防寒に特化していますが行動する時に着ていると汗をかいてしまうので休憩時のみに基本的には用います。

「行動着」のフリース

ぼくは「行動着」には登山用品で購入したフリース、「保温着」にはユニクロで購入したダウンを用いています。

「行動着」は防寒性と通気性の両立が求められるので、登山用の服を用いた方が良いでしょう。

「保温着」は休憩時のみに使用するので、街着(コンパクトになること)でも良いです。

登山用品で通気性の良い「保温着」という商品も販売していますが

あくまで街着よりは通気性が良いというものなので、行動時に着ると確実に汗をかくと思います。

アウターレイヤーに求められる機能

アウターレイヤーには、悪天候時の雨や風、寒気から体を守る役割があります。

また、中から発生する汗を外に放出する必要があるため、湿気を通しやすい透湿性も必要となります。

つまり、外からの水分は通さずに、中からの水分は外に出すという一見相反した機能が求められます。

現在流通しているアウターレイヤーの多くには、ゴアテックスという防水性と透湿性を兼ね備えた素材が用いられています。

僕が使用しているアウターレイヤーは、THE NORTH FACEのレインウェアです。

登山におけるアウターレイヤー(レインウェア)は、体温調節および防寒にとって一番重要になる服ですので

金額としても高いですがケチらずにちゃんとした登山服を購入しましょう。

このように、それぞれ別の機能をもった服を着重ねることによって、適切な体温調節を行うことが登山には重要になります。

春秋シーズンのレイヤリング

それでは、それぞれの服の組み合わせについて紹介していきます。

今回は初心者向けの話ということで

  • 低山
  • 春秋シーズン(3月下旬~5月初旬、9月下旬~12月上旬)
  • 日帰り

という条件で、どのようなレイヤリングが適切か紹介していきます。

歩き始める前のレイヤリング:ちょっと肌寒いと思う服装でスタート!

さあ今から登山!ということですが、あなたは今どんな服装ですか?

肌寒いといって、ミドルレイヤー、アウターレイヤーなどをたくさん着込んではいませんか?

それは、初心者がやりがちな間違いです!

行動時は、基本的にベースレイヤー

歩き始める前は、ちょっと肌寒いと思う服装(僕はベースレイヤーのみ)でスタートしましょう。

肌寒いといっても、歩き出せば汗が出てきます。

その時に着込み過ぎていれば、汗は逃げずに熱気が服の中に溜まります。

登山服が乾きやすく通気性が良いといっても、汗の出る量によっては限界があるので

いかに汗をかかない服装で行動するかが重要です。

最初どうしても寒過ぎるという人はアウターレイヤーを一枚羽織っておくのが良いでしょう。

ただ体が温かくなり始めたら、すぐに脱ぎましょう。

昼ごはんなどの長い休憩する時のレイヤリング:寒くなる前に着込む!

日帰り登山では、昼ご飯などで30分以上の休憩をとることがあると思います。

そんな時は少し温かすぎるのではと思うくらい着込んでください。

三階層のレイヤリング

僕は、場合によってアウターレイヤー1枚か、ミドルレイヤー(フリース)とアウターレイヤーの2枚を着込みます。

休憩して体を動かさなくなった瞬間から、周りの肌寒い空気に体からどんどん体の熱が奪われます。

その熱を少しでも保持するためには、温かすぎるくらい着込んでおくことをおすすめします。

休憩時には着込みます

尾根筋に出た時のレイヤリング:風に対抗できる服装で!

強風が吹く赤坂山の尾根

登山では、樹木がない尾根筋に出た時に強風が吹いていることがよくあります。

そんな時は、風を避けれる場所(岩の影、風が吹いていない側の山影や道を引き返した樹林帯の中)でアウターレイヤーを着ましょう。

ベースレイヤーにアウターレイヤーの二層

風を受けると、一気に体の熱が持っていかれます。

風を受けても少しの間なら大丈夫ですが、登山にあまり慣れていない人だと一気に体温が低下して動けなくなってしまうかもしれません。

まだ大丈夫という状態で、対処していくのが登山の鉄則です。

夏シーズンの低山のレイヤリング

夏シーズンの低山におけるレイヤリングを紹介します。

  • 低山
  • 夏(5月下旬~9月上旬)
  • 日帰り

本来の夏の定義とは少し違いますが、この時期で天気が良ければ、低山を登っていると汗が噴き出してきます。

行動、休憩する時はベースレイヤーのみで行動することになります。

ただ雨などの悪天候や山頂付近の強風に備えて、アウターレイヤー(レインウェア)はちゃんと持参しましょう。

ベースレイヤーで行動します

また、ベースレイヤーといっても汗をたくさんかけば発散せずに濡れてしまいます。

快適性や安全性のために、もう一枚ベースレイヤーを持参しておくと良いと思います。

番外編:夏(7月下旬~9月上旬)のアルプスの日の出や夕暮れ時のレイヤリング

常念岳から見える日の出

低山を経験した後に、いつかは憧れの日本アルプスに行くことがあるかもしれません。

お昼時は低山と同じような服装で行動できますが、日が落ちると

一気に気温が下がり、夏でも気温が一桁台になることがよくあります。

日の出や夕暮れはとてもきれいな景色なのですが、そういう時の服装も気を付ける必要があります。

ぼくは、ベースレイヤーに、ミドルレイヤー2枚(フリース、インナーダウン)、アウターレイヤーを着ます。

日の出だと、出てくるまでなかなかの時間待つ必要があるので、ちゃんと見合った服装で臨みましょう。

まとめ

今回は、登山のレイヤリングを実践的な観点から紹介させてもらいました。

最後のまとめとして

  • 自分からも熱が発生されることを考慮して、レイヤリングしよう
  • 体があつくなりすぎる、冷たくなりすぎる前にレイヤリングで対処しよう
  • 気候の変化に備えて、使う可能性のある服は忘れずに持参しよう

ということを覚えておきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

料理好きが講じて、山ごはんも凝ったものを作りがち。
山ごはん初心者にも紹介できる簡単メニューを日々考案する毎日です。

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