今回、不特定多数の人が集まる登山パーティーにおいて
リーダーをする上で大切なことは何なのか、実体験から感じたことを書いていきます。
僕は、不特定多数の人が集まるサークルの中に身を置き、登山を楽しんでいる一人です。
登山年数もそこそこ長くなり、そのような集まりの中で
リーダーとして10人程度の登山パーティーを率いる機会も増えてきたので
これからリーダーをする人の参考になる情報になったらいいな、と思って書いていきます。
登山パーティーにおけるリーダーとは……
登山パーティの責任者。その山行に参加するメンバー全員の安全を最優先に判断&行動し、無事に下山させる指示をする者。
出典:図解ひとり登山
とありました。
つまり、リーダーは責任者である、ということです。
登山というのは一歩間違えれば死ぬ危険性があるスポーツですので
登山のリーダーというのは、命を預かるという意味で重い責任があるのでは、と僕は考えています。
サークルやSNSで集まった場合に、どのようにリーダーが決まるかというと
基本的にはその山に行こうと発案した企画者が、リーダーになることが多いです。
つまり、リーダーという重い?責任を持った役割でありながら、
その決定には技術面や適性はあまり考慮されないというのがサークルやSNSで集まった登山パーティーの現状なのです。
リーダーとして必要な3つの能力
このように簡単に決まってしまうリーダーなのですが
自分も何度かリーダーを経験する中で感じた、リーダーとして必要な3つの能力があります。
それが
- 周りを見る能力
- 決断する能力
- メンバーを信頼する能力
の3つです。
この3つの能力は
今まで僕がリーダーをした経験の中で、困った場面に出くわした時などの実体験に基づいて感じたものです。
一つずつまとめていくととても長くなってしまったので、
今回は、3つの能力のうちの「周りを見る能力」について、紹介します。
周りを見る能力:3つの着眼点が大事
リーダーは登山中にパーティーがどのような状態に置かれているか、を常に把握しておく必要があります。
常に状況把握ができていることで問題が生じることを未然に防いだり、問題が起きた時に速やかに対処することができます。
僕がリーダーをする時はこの「周りを見る」という点で、3つの着眼点をもって注意しています。
①歩くペースが速くないか
サークルやSNSで集まったパーティーには体力や登山の力量などが異なるさまざまな人が参加しています。
誰がどのくらいの体力があるか分からない状態で登山することもよくあります。
僕がリーダーをする時は、そのパーティーの中で一番歩くペースが遅い人を素早く見つけ
その人に合わせたペースでパーティーを引っ張るようにしています。
一番遅い人にペースを合わせることによりパーティー全体が一定のペースで登山を楽しむことができます。
もし遅い人を無視したペースでパーティーを引っ張ると必ずパーティーに遅れてくる人がでてきます。
このパーティーから遅れてくる人の存在によってパーティーが分裂してしまいます。
パーティーが分裂してしまうことは全体の状況把握が困難になり、遭難のリスクを高めることになります。
あなたがリーダーなら、歩くペースが遅い人を気遣うようなペースでを歩きましょう。
②疲れている (体調が悪い) 人はいないか
リーダーは、パーティーに疲れている人がいないか、気を配りましょう。
疲れている人を早く見つけることで、さらに疲れて動けなくなる前に対処することができます。
僕がいつも使っている、疲れている人を早く見抜く方法を2つ紹介します。
自分が先頭から振り返った時に、目が合わない
自分が先頭を歩いている時に、後ろを振り返りパーティーを確認してみましょう。
パーティーの中に、目が合わない人はいませんか?
疲れている人は目線が下がるので、後ろを振り返っても目が合わない傾向にあります。
次に、目が合わなかった人の顔を注視してみましょう。つらそうな顔をしていませんか?
つらそうな場合は、すぐに対処しましょう。
「大丈夫?」と問いかけた時に、返事する際の息遣いを観察する
疲れている人は「大丈夫?」と聞くと
気を遣って大体「大丈夫」と答えます(初対面の場合は特に)。
返事する内容より、返事をする際の息遣いを観察してみましょう。
疲れている人は会話に吐息が混じります。この息遣いでつらそうかどうか、分かります。
つらそうなことが分かった時には
- 歩くペースを遅くする
- 水分補給や栄養補給を促す
- 一時休憩する
など、見合った対処をしましょう。
③パーティーがうまくコミュニケ-ションできているか
パーティー間のコミュニケーションは登山において非常に大切です。
コミュニケーションすることで、パーティーに一体感が生まれ、
- 体調が悪くなったり、疲れている人の把握が早くなる
- 非常時に、みんなの意思疎通がとりやすい
- 登山に関する情報の意見交換ができ、パーティーの技術が上がる
などの良い点があります。
僕がリーダーになった時は初めてパーティーを組んだ人に一度は話しかけることを心がけています。
一度コミュニケーションすることで、自分を含めたパーティーのメンバーとコミュニケーションしやすくなるようになれば、という狙いがあります。
また、話しかけたタイミングで、今までの登山経験について聞きます。
登山経験を聞くことで、その人がどのくらいの体力や登山の能力を把握する目安になります。
会話だけで全ての能力が把握できるわけではありませんが
リーダーとしてどのくらいそのメンバーを気に掛ける必要があるか(初心者なら注意しておく、熟練者なら多少お任せする)
の判断の基準となります。
まとめ
今回は、登山パーティーのリーダーに大切なことの一つ
「周りを見る能力」について紹介しました。
今回紹介したことを意識的に行うだけで登山パーティーの進行がよりスムーズになるのでは、と思います。
今回紹介できなかった「決断する能力」「メンバーを信頼する能力」についても今後紹介していきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
2020.03.05 【登山で初めてのリーダー】登山パーティーのリーダーに大切なこと②決断する能力【経験則】 を更新しました。
2020.03.07 【登山で初めてのリーダー】登山パーティーのリーダーに大切なこと③メンバーを信頼する能力【経験則】 を更新しました。
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