登山初心者

雪山登山に挑むときの心構え【山コラム】

今回は山ごはんとは関係ないですが、山ごはんとは切っては切り離せない登山、その中でも雪山登山についてコラムを書きます。

ちなみに、ぼくはアルプスの雪山に2~3回しか行ったことない雪山初心者です。

また、今回述べている雪山とは、主に、森林限界が存在している標高の高い雪山のことです。

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雪山の美しさと恐ろしさ

登山に少なからず興味のある人ならご存知かもしれませんが、ニュースでは、登山者が亡くなるという悲しい事件を聞くことがあります。

今の冬の時期では、雪山での登山道からの滑落、雪崩、悪天候による道迷いで今年に入って数名の人が亡くなられています。

そんな折に、登山をしない友人に

「なぜそこまでして、雪山に登るのか?」

と問われることがありました。

その時は何かありきたりな返答をしたと記憶していますが、今僕はその答えに悩んでいます。

雪山が美しいというのは認めざるを得ない事実です。

夏山も美しいですが、また違うその美しさは、言葉で伝えても写真で見せても、実際に見なければその空気感は伝わりません。

初めて雪の天狗岳を見た僕は、そこには人を拒むような威厳みたいな美しさを感じました。その美しさに魅入られて雪山に登る人はたくさんいます。

初雪山の天狗岳

また、雪山が恐ろしいというのも認めざるを得ない事実です(夏山が安全というわけではありません)。雪山は、夏山以上に危険な場面が多くあります。

  • 凍結した登山道からのスリップによる滑落
  • アイゼンワークのミスによる滑落
  • 雪庇の踏み抜きによる滑落
  • 雪崩に巻き込まれる
  • -20℃の極寒の世界での低体温症
  • ホワイトアウトによる道迷い
  • 積雪の影響によりコースタイム超過することで起きる日没遭難

これらは雪山でないと経験することができない出来事です。このようなことが起こり得る可能性があることを了承して、雪山に行く必要があります。

雪山登山には死ぬ覚悟のある人間が行くべきだ

最近ニュースではなく、実際に身近に起きた雪山での事故の話を聞くことがありました。詳しくは話しませんが

  • 友人3人で雪山に行き、1人だけ雪崩に遭い亡くなった
  • 友人の後ろをついてきていた登山者が滑落し、ヘリで搬送された
  • 先行者が滑落してきて巻き添えになったが、木にひっかかって助かった

という僕も、去年下山中にアイゼンワークをミスして、登山道で一回転しました。

滑落とまではいきませんでしたが、あともう少し勢いがついてればもっと下まで落ちていってもおかしくなかったです。

それでも雪山は美しい

最後のは自分の力量不足なのですが、身近でも雪山に起因する事故や事故未遂が起きています。

経験者の方からいえば、そんなの練習しておけば防げることじゃないか、といわれるかもしれません。まさしくその通りでしょう。

練習しておく、知識をつけておく、それで回避できる事故はたくさんあります。

ということは、事故にあった人は全員経験者ではないということでしょうか?

毎年いくつかの山岳事故が起きますが、事故を起こそうと思って事故を起こす人はいません。みなさん安全に登山したいという気持ちで、登山しているでしょう。

中には事故に遭うべくして遭う人(無計画登山や力量に合わない登山)もいますが、細心の注意を払っても事故に遭うことはあります。

有名な登山家の方々が同じように雪山で亡くなられているのもそうだと考えています。

つまり、登山に絶対安全というのはないのです。

そして、前述したとおり雪山は登山という分類の中でも上位に入る危険度です。その危険度を了承した上で雪山登山に挑むべきだとぼくは思います。

そして、雪山登山には死ぬ覚悟のある人間が行くべきだ、という考えに至りました。

どんなに安全を順守しても不可抗力で死ぬ可能性を雪山は孕んでいます。

もしその状況に見舞われたときに、後悔して死ぬようなことはあってほしくないと僕は思います。

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そして、ぼくは大切な人を雪山に連れて行かないと決めた

雪山の恐ろしさばかり語ってしまいましたが、雪山が美しく楽しさがある場所であることは事実です。僕も雪山で経験した楽しい記憶はたくさんあります。

その美しさや楽しさを友人や恋人、家族と共有したいと思うのは自然なことでしょう。

ということは、いっしょに雪山に行こうと誘う機会はあるでしょう。

その時に思い出してほしいことが、やっぱり死ぬ覚悟という言葉です。

いっしょに行く同行者がその山に行きたいという気持ちがあるなら、全くもって問題ないと思います。

ただし、楽しいから、そこまで危険じゃないから、という誘い文句で誘い、いっしょに同行させるのは何か違うように思います。

もし不可抗力で何か事故が起きた時にその同行者は思うはずです。

楽しいと言っていたのに、そこまで危険じゃないと言っていたのに、と。

それに対する答えが今ぼくにはありません。なので、雪山は自主的に行きたいという人たちで行くのがベストだと思います。

そして、雪山という美しくも恐ろしい場所で大切な人を失いたくないので、ぼくは大切な人を雪山に連れて行かないと決めました。

それでもあなたは雪山に登りますか?

これまで結構過激なことを書いてきたかもしれませんが

ぼくはこれからも雪山に登ろうと思います。

ただコースの難易度設定、天気や雪の状態を確認して計画を立てることが重要になるでしょう。

雪山にもそれぞれ難易度があって、森林限界を出るか出ないかでも自然環境は大きく変わります。

直登の木曽駒ヶ岳、木は一つもない

僕の周りには、幸運なことにいろんな雪山を経験している猛者がたくさんいますので、その方たちの教えを乞いつつ自分の力量に合った登山を楽しみます。

今回雪山にフィーチャーしていろいろ話させてもらいましたが、ぼくが好きな夏山アルプスも同じように言えることは多々あります。

同行者を誘って行く登山においては、登山の美しさと楽しさを共有しつつ、恐ろしさも伝えることができるような山行にしたい、と思う今日この頃でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

料理好きが講じて、山ごはんも凝ったものを作りがち。
山ごはん初心者にも紹介できる簡単メニューを日々考案する毎日です。

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