登山を、ある程度の期間(ぼくは5年間)やっていると
登山をしない知り合いに
- 登山って疲れるだけなのに何でやっているの?
- わざわざ休みの日につらい思いをするなんて変わってる
と言われたことがあります。
登山をしない人からしてみれば当たり前な疑問だと思うので
別に嫌な気持ちになることはありませんが……そんなことを言われても
登山を続けているのはなぜだろう?と考えた時に
思いついた一つの答えは
自分と向き合い、生きていることを自覚できるから
でした。
登山は疲れるし、つらい
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どんなに登山を長い間やっていたとしても
登山で疲れる時は疲れるし、つらくて歩くのをやめたくなる時もあります。
継続して登山をすることで体力がついていく実感はありますが
体力がついても「疲れる」ことはあったし
今後続けてもおそらく「疲れる」ことはあるでしょう。
なので、登山は続けていても楽になることはないんです。
続けても楽にならないのに、登山を続ける理由は何なのか?
登山をしている時には、不安が一時的になくなる
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世の中には、たくさんの不安であふれています。
将来のこと、仕事のこと、恋愛のこと、友人のこと、家族のこと。
その不安たちは生きている限りなくなることはないので
うまく付き合っていく必要があります。
しかし、ふとふり返ってみると
登山をしている時、その一瞬には 不安がなくなっているのです。
登山で疲れた!きつい!と思っている時に
週明けの仕事が大変だとか、人間関係で困っているとかなんて
考える余裕はないんです笑
マズローの心理的欲求に当てはめて考えると
登山をしている時に、不安はなぜなくなるのか。
マズローの欲求5段階説に当てはめて、考えてみます。
マズローは、人間の心理的欲求を5つに分類しました。
- 自己実現の欲求 (Self-actualization)
- 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
- 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
- 安全の欲求 (Safety needs)
- 生理的欲求 (Physiological needs)
引用:wikipedia「自己実現理論」
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普通に生活している時は、この5つの欲求すべてを必要と感じるので
自分は満たされていないという気持ちになるかもしれません。
しかし、登山をしている時は
社会的欲求、承認欲求、自己実現の欲求の3つを
考える必要がなくなっているのだと思います。
必要な欲求の数が減ることで
人間として満たされていないと感じにくくなるのでは、と考えています。
他人ではなくて、自分と向き合う
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マズローが分類した欲求のうち
社会的欲求(社会集団に属し、役割をもちたい)
承認欲求(集団から価値を求められ、尊重されたい)
というのは
他人からの視点があるからこそ感じる欲求ですが……
登山をする時には、他人からの視点より自分からの視点が
大切になります。
他人にできると言われたところで何の保証もありません。
自分と向き合うことでしかその答えは出せません。
そして自分の判断で決めて、自分の力で登山できた時には
すばらしい達成感を得ることができるのです。
死ぬ可能性を感じることで、生きていると自覚する
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マズローが分類した欲求の一つに
安全の欲求(安全な環境で暮らしたいという欲求)
がありますが
日本に住んでいる限り、死ぬかもしれない状況に見舞われることは
ほとんどないでしょう。
なので、安全の欲求が満たされているんだと実感することはなかなかありません。
しかし、登山でいうと死ぬかもしれないという状況を味わうことが時々あります。
例えば
- 足を滑らせたら50m落下する崖の横を歩く
- 大きな落石を目撃する
- 熊が目撃されている場所を通らなければならない
(できるだけあわないように対策はします)
そんな死ぬかもしれない可能性を感じることで
いつもは「安全の欲求」が満たされている=生きていると
自覚することができ
生きているってすばらしい!と世の中に感謝することができるのです。
登山は、自分と向き合い、生きていることに感謝できる趣味
登山では、普段の生活ではできない体験をたくさんできます。
そして、自分と向き合い、生きていることに感謝できる
すばらしい趣味です。
登山を始めて約5年が経ちますが
自分の力量に見合った難易度の登山を楽しみ
この世に生まれて安全に生きていられることに感謝しながら
今後も自分なりの登山を楽しんでいきます。
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